食材の「育てられ方」まで見つめる、私の食材選び

毎日の献立を考えるとき、産地や旬、値段を見る方は多いと思います。
私もそのひとりです。
それに加えて、できる範囲で大切にしたいのが、食材がどのように育てられてきたのかという視点です。

これは、何かひとつの食材や生産方法を「良い・悪い」と決めつけるためではありません。
生産者さんが日々どんな工夫を重ね、どんな背景のなかで私たちの食卓を支えてくださっているのかを知ったうえで、自分の暮らしに合う選択をしたいからです。

今回は、私が肉や野菜を選ぶときに考えていることをお話しします。

目次

投薬されているお肉ってどういうこと?

育てる過程で抗生剤や成長剤などの投薬をしている家畜のお肉のことです。
無投薬や減投薬にするには、エサはもちろん衛生面などにも気を付けなければいけません。

例を挙げると、鳥インフルエンザがわかりやすいですね。

一羽の鶏が病気になったら、その養鶏場で飼育されているすべての鶏が殺処分されます。そうならないために、日頃から投薬をして免疫力を上げているんです。人間でいうワクチンと同じ役割になります。

成長ホルモン剤は日本をはじめ多くの国で使用が禁止されていますが、未だ使用可能な国もあります。成長ホルモン剤を使用すると、成長スピードが早くなり生産性が上がるメリットはありますが、デメリットも計り知れないため禁止されているのです。

ゲノム編集においては、現在研究が進められています。
アレルゲンを取り除くなど有益かつ便利な面もあります。しかし、ゲノム編集は酵素をつかって遺伝子を切ったりくっつけたりする遺伝子組み換えのことで、危険な一面もあります。

例えば、ある魚の養殖をしやすくするためにゲノム編集を行い、満腹中枢の反応を鈍くさせてエサを食べ続けられるようにし、出荷を安定させた事例もあります。この魚は、身がぎっしりとつまっていて美味しいそうです。
しかし、最後は自力で泳げないほどの身がついているのです。

このように「投薬」と一言でいっても、数えきれない事例があります。

その現実を知ったときに私が感じたこと
「ゼロか100か」では考えない

これらの投薬お肉の存在を知ったとき「投薬は取捨選択が必要」というのが始めの印象でした。

生産を安定させるための投薬はある程度必要であるというのが私の考えです。
もちろん投薬ゼロを理想とすべきなのはわかっています。実際に無投薬で育てることに挑戦し、成功されているなら素晴らしいです。しかし、それによって生産量が不安定になれば、私たち消費者はお肉が手に入らない、高いお金を払わないといけない状況に陥ります。

生産者が挑戦していないのかと言うとそうではありません。生産者も家畜にとってできるだけ負担にならないように心がけ、工夫をしています。だから「投薬をゼロにしろ!」と簡単には言えないのです。

「育てる過程では最大限に工夫をして、安定供給のために最低限の投薬はする」

これが現状の最適解なのではないかと私は思います。

消費者としては安定して手に入る、生産者としては家畜にとって優しく安定供給ができる、家畜としては無理なく最低限のストレスですむ。消費者、生産者、家畜、三方良しになります。

身体への影響を、どのように受け止めるか

投薬することで生産の安定に繋がるのはいいことですが、カラダへの影響もあると言われています。

成長ホルモン剤を使用したお肉を摂り続けると、人の成長も早くなるのです。

最近は、女子の初めての生理が早まっています。江戸時代〜昭和の頃は14・15歳が多かったのですが、現在は12歳頃が平均になっています。一概に投薬お肉のせいにはできませんが、摂取している栄養が減り、カロリーだけ増えている現代の食生活が理由の一つであると考えられます。

成長が早いということは、老化も早まるということです。

医療の発展により、寿命が伸びているにもかかわらず老化が早まると、健康寿命が短くなる人が今後増える可能性が高まります。すると医療費も上昇し、働き世代の負担がさらに増えるのです。

野菜についても、育て方に目を向けたい理由

土に栄養をもたせ野菜を育てるために、土にも野菜にも農薬が使用されています。

しかし投薬された土は、薬の影響で痩せこけ、投薬がなければ育てられない土になっていきます。
すると土に元気がないため野菜に十分な栄養が入らず、野菜にも投薬しないと成長しなくなります。

薬で育てられた野菜は、実は大きく成長しますが栄養はほとんど入っていません。栄養がすっからかんな野菜ができあがるということです。栄養素の含有量を調べても、以前のものより減っているという結果が出ています。

ただ、すぐに野菜を無農薬にするとなると、土から作り直す必要があり何年もかかります。
その間、野菜が食べられないのは困りますよね。だから、「今すぐ全ての農家で無農薬を」なんて言えないのです。
私たちにできることは、産地だけでなく生産方法もしっかり見て考えるように習慣づけすること。まずは意識を変えることからです。

食材を見直すきっかけになった、夫の体調の変化

私が食材を見直すきっかけになったのは、夫の乾燥肌と花粉症がきっかけです。
夫はもともと肌は弱い方ですが、4年前から乾燥による皮膚のただれや赤み、かゆみなどに悩んでいます。同じ頃に花粉症も発症しました。薬を飲んでも、マスクとボックスティッシュが手放せないほどに酷い症状でした。

そこから食材を変え、栄養素を意識して調理するようになりました。
すると、肌も少しずつ改善してきました。もちろん保湿はしています。カラダの中で炎症が起こりにくくするための工夫をしています。今年の春は、花粉症の薬を飲まなくても過ごせるようになりました。

食事が全てではありません。しかし、カラダの栄養素のほとんどは食事から摂取していますし、多くの人が1日3回食事をしています。その食事でどんな食材を使っているのか、どんな調理法で作っているのか、そこを意識的に変え継続したら大きな変化が生まれるのです。

日々の積み重ねが、今日のカラダをつくっている。それを強く実感した経験です。

日々の食事を、もっと心地よく、もっと自分らしく

食材選びに、正解はありません。

予算や家族構成、体調、住んでいる地域によって、選び方が変わるのは当然です。
だからこそ、完璧にしなければ!と思い詰めなくていいんです!

まずは、いつもの買い物で産地や生産者さんの情報をひとつ見てみる。
旬の野菜を一品増やしてみる。
食卓にたんぱく質と色とりどりの野菜をそろえてみる。

そんな積み重ねが、身体とこれからの暮らしをつくっていくのだと思います。

私のお料理代行では、ご家族の好みや暮らしのリズムに寄り添いながら、食材選びから献立、調理までをお手伝いして心の余白を感じていただけるように心がけています。
ぜひお気軽にご相談ください。

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