ゆかりいつも安心のお野菜をご提供いただいているKiRAMEKi farmさんにお話をお伺いしました


どんな野菜を育てていますか?主な品目や収穫できる時期を教えてください。
多品目の野菜を育てていて、季節ごとの旬を存分に味わうことができます。
今年はナスに力を入れ、1200株育てました。
これからの季節は、準備が遅れており、間に合っていないものが多いのですが、間に合えば芽キャベツに力を入れたいと考えています。
芽キャベツは、夏に種をまき、秋の収穫に向けて育てます。
芽キャベツに限らず、アブラナ科の野菜はすべて同様です。
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、カブなどもアブラナ科で、これらはすべて栽培する予定です。苗は育ててあるので、あとは定植していきます。



今育てている野菜の中で、特に思い入れのあるものはありますか?
私はなぜか紫色の野菜が好きで、ビーツやナス、紫キャベツなどを育てがちです。
かっこいいと感じるのかもしれません。紫色の野菜は売れることも多く、見た目も映えます。紫キャベツは食感も良く、少し苦みもあり、味がしっかりしていて美味しいです。アントシアニンも豊富です。
紫キャベツをみじん切りにしてハンバーグに入れると、食感が良く、とても美味しいです。普通のキャベツだと柔らかくなってしまいますが、紫キャベツは食感が残ります。皮をむくのも大変ですが、驚きました。
紫野菜といえばきらめきファームみたいなのを持ってもらえたらいいなと思っていました。
農家を始めたきっかけはなんですか?
農家を始めたきっかけは、特にドラマチックなものではなく、趣味から始まったんです。
野菜を作り始めて12年ほど経ちますが、最初はホームセンターでプランターを1つ買ってきて、ミニトマトを栽培したのが始まりです。なぜそれを育てたのかは覚えていないそうですが、うまくいったことがきっかけでした。
翌年にはプランターの数を増やし、さらに規模を大きくしていきました。
その頃には野菜栽培の面白さに目覚め、近所の貸農園を利用するようになりました。
最初は4メートル四方ほどの小さな畑でしたが、もっと大きくやりたいと思うようになり、大阪に住んでいた時に市営の貸農園を見つけました。16平米の畑で様々な品目を作れることに魅力を感じ、引っ越しを機にその貸農園を利用することにしました。
引っ越し当初は何もやっていませんでしたが、何かやりたいと思い、再び貸農園を探しました。田舎の貸農園は桁違いに広く、それまでの畑の10倍ほどの広さ。
そこで初めて有機栽培を知り、それまで農薬について特に何も考えずに受け止めていましたが、有機栽培について興味を持つようになりました。畑が広いと収穫量も多く、自家消費だけでは追いつかないほどだったのです。
今「サードライフ」という会社を経営しています。以前、別の企業の経営に携わっていた頃、社員に自分で育てた野菜をプレゼントしたところ、みんなすごく喜んでくれて、「めちゃくちゃ嬉しい!」とか「美味しい!」と言ってくれるので、ちょっと畑で育てようかなと思いました。
農園で過ごす1日の流れを教えてください


朝一番に収穫をします。収穫したものは、収穫調整という作業に入ります。
根菜類などは、人参を抜いたら洗って、拭き取って、袋詰めまでが調整作業です。
うちでは、グラムに合わせて300gなら2本入れるといった作業も調整に含まれます。ここまでが午前中です。
その後、出荷作業に入ります。うちは佐川急便と大和運輸の2社と契約しています。
佐川急便は2時頃まで、ヤマト運輸は5時頃まで対応してくれるので、それに合わせて出荷調整をします。
量が多いと、袋詰めや調整する量も多くなります。うちでは「野菜のきらめき」というサービスがあります。
以前は、朝一番から大阪まで配達に行っていました。大阪まで結構な量があるのですが、従業員全員分で50セット近い量でした。それに加えて、Amazonの出荷とカタログギフトの出荷もありました。
それらを2時頃までに全て終わらせていました。昨日の夕方の出荷が終わってから今日の分の作業をしているので、仕事が終わるのは22時や23時頃までになります。



朝一番の収穫は、何時頃から始めるのですか?
季節によって変わります。夏場などは、朝5時頃から畑に出ます。
5時頃だと暗すぎて見えないので、日の出に合わせて作業を始めます。日が昇って明るくなってきたら、目視で確認しながら作業できるからです。
冬場は作業時間が短くなります。太陽が出ている時間が短いからです。間に合わないものがたくさんあるので、ヘッドライトをつけて作業することもあります。しかし、ヘッドライトだけでは暗くて危ないです。動物の鳴き声も聞こえてきて怖いですよね。なるべく日が照っている時に作業するようにしています。
野菜を育てるうえで、一番大切にしていることはなんですか?
やっぱり旬かなと思いますね。旬で、やっぱりこの一番美味しい時期、鮮度よくいこうと考えています。
鮮度が全然違うので、基本生でもいけるっていうのを売りにはしています。生が美味しいものもありますけど、品種によっては火を通した方が美味しいものもあります。
それでも全て生で食べられるくらいの鮮度を意識しています。



土づくりや肥料について、どんな工夫をしていますか?
いろんな考え方があると思いますが
農薬は適切な使用方法や基準に基づいて安全性が管理されています。慣行栽培にも有機栽培にもそれぞれの役割があり、私たちは農薬を使用しない栽培方法を選択しています。
有機が偉いとか慣行農業が悪いという完全懲悪の世界はないと思う。それを通り越しての前提でいくと、有機野菜をだんだんやっていくうちに、安全安心な野菜がいいとは思うけれども、気持ちの面でどうかってなった時に追いつけない人たちもいる。有機か慣行か、それぞれの良し悪しがあるからこそ、市場にはどちらも必要です。



農薬についてどのような考え方で使用しないと決められましたか?そのために工夫していることはなんですか?
実際自分の子供に食べさせるのなら、どちらの野菜がいいかと言ったら、やっぱり完全に農薬不使用の方がいいですよね。
子供たちが野菜を食べたいって言ったら、手軽にパッと食べられるのは有機野菜だと思う。慣行の時はちょっとドキッとする。まずは洗ってーみたいな声かけをしてしまう。家族や子どもたちが食べる野菜だからこそ、栽培方法はこだわっています。
そういう意味では、うちのある種の訴求としては、例えば妊娠中の妊婦さんが小さい赤ちゃんまで安心して食べられますよということ。大人が自分で食べるものももちろん意識はあると思うが、自分の子供にとか、次の世代、小さい子になった時にも安心して食べられるものというのはすごい大事。



これから野菜を食べる人に、どんなことを感じたり、どんな風に味わったりしてほしいですか?
そうですね、もう生で食べてみてって思います。
塩があれば楽勝で美味しいですよね。何をしても美味しい、というのが本当にいい。
私の子供たちも、やっぱり野菜が好きです。農家あるあるだと思うんですけど、始めた頃は結構凝った料理とかもやりがちです。でも、毎日収穫できるから、どんどん凝った料理は面倒くさくて。氷水でぶち込むのが今では最強です。(隣のトトロを見てきた世代からみると、川の水で冷えた野菜は究極なんですよね)
天候や虫、病気など、野菜を育てるうえで難しいことはなんですか?
虫や病気に関しては正直天命に任せるという感じ。天候はやっぱり難しい。どうにもならない。気温、日照時間、風、雨、バランスよく来てくれたらめっちゃいい。夏野菜は好きな気温があって、25度から35度くらい。今の夏はめっちゃ暑い。暑いのが好きな夏野菜が夏バテしています。
畑によっては水源がない畑もあり、天候に委ねるしかありません。この夏は、何週間も雨が降らない状況が続いています。雨が降る時期に、水があまり必要ない作物を植えても、逆に水を与えすぎてしまうこともあります。
これに対して何か対策できるのかと言えば、残念ながら打ち手がないのが現状です。風も、ある程度は対策できますが、壊滅的な台風が来たときには、人間の力は無力です。
この1、2年で特に感じるのは、天候が一番厳しいということです。最近、異常気象が非常に多く、春と秋は短く、夏は暑すぎ、冬は寒すぎるといった状況です。何年か前、10年くらい前と比べても、気温や天候の動きが違います。
熱帯雨林のような環境で育つものでないと、夏を乗り切れなくなってしまうほど暑いです。
秋冬野菜の準備は8月に入ってからで、8月に種を巻き始めますが、暑すぎて発芽しません。芽が出てきたものも、暑さの一撃で枯れてしまいます。気温によって、野菜の味や香り、食感は全く違います。
消費者に、野菜づくりについて誤解されている、または知ってほしいと感じることはありますか?
有機JASについて、知らない方も多いのではないでしょうか。
有機野菜という言葉は知っていても、その基準である有機JASを知らない人は多いと思います。その基準があるというだけでも、野菜を選ぶ際の判断材料になります。そうすることで、価格の高さにも納得感が生まれるのではないでしょうか。
スーパーに並ぶ野菜は、農家から店頭に届くまで数日かかります。農家直送とは勝負になりません。一般的な物流では、農家からJA、そして卸売市場へと運ばれます。卸売市場で野菜を買えるのは、中卸という免許を持つ人だけです。中卸が一般に販売できるようになるのです。
そこから、スーパーのバイヤーが中卸から野菜を仕入れ、店頭で販売します。この流れを知らない人が多いのではないでしょうか。物流の闇というのは、卸や中卸でどれだけ野菜が寝かされているか分からないということです。1日で全てが売れるわけではありません。バイヤーによっては、中卸に任せきりの人もいます。中卸としては、古いものから出すこともあれば、1ヶ月、2ヶ月寝かせたジャガイモを出すこともあるかもしれません。
中間業者を挟むことで、価格は高くなりますが、必ずしも質の良いものとは限りません。
これからの農園をどんな場所にしていきたいですか?5年後、10年後の目標があれば教えてください。


子供たちが気軽に訪れることができる農園にしたいと考えています。障害のある子供たちに農業体験を提供しており、この秋からは兵庫県から認可を受け、有機農業の素晴らしさを伝える活動をしています。近所の幼稚園児たちとも連携し、農園で一緒に活動する機会を設けています。日本だけでなく、世界に向けて「メイドインジャパン」の野菜を発信していきたいです。
農園の隣でキャンプ場を開き、そこで収穫した野菜を直接バーベキューで楽しむ、そんな体験を提供したいと考えています。普通の農園とは違う、様々なハブになれたら嬉しいです。
